表札の歴史~(高田馬場3丁目店) |
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「表札」とは、家の玄関や門に設置される札のことであり、日本では住人の名前を記して「そこに誰が住んでいるか」を知らせる役割をしています。
一口に表札といっても、「門札」と呼ばれるものとの二種類があり、門札にはその家の敷地を表す役割があるそうで、表札と違い「名字だけ」を記すそうです。
今では玄関に置くことが一般的となっている表札、漢字で書かれた昔ながらのものだけでなくローマ字表記のものなどもありデザイン性にも優れ、家の入り口のインテリアの一部ともなっています。
表札は日本人にとってなじみ深い存在ですが、表札を揚げる習慣はいつ頃からはじまったのか、また、日本以外の国々の表札に対する考え方など、興味深いエピソードを交えながら表札の役割をお話します。”
ただ表札の歴史はまだたった100年程度です。
明治時代になるまでは苗字を持つことができるのは一部の上流階級でしかなく、一般庶民には許されていなかったからです。
ただ、名前だけでは不便なことからそれより前から出身地や地形・生業などを元に屋号というものを使ってそれぞれの家を表す習慣はありました。
今でも昔からの地域では苗字よりも屋号が定着している家もあります。
明治以降にすべての人が苗字を持つようになりましたが、表札の習慣は大正以降です。
関東大震災により家族がバラバラになったり町が崩壊してどこに誰の家があるのか分からないという状態になったときに、無事を知らせたり消息を知ることができるようにという意味で苗字を家の前に掲げるようになったのがキッカケなのです。
大震災後の崩壊した住宅の建て直しの際、セットで表札も掲げるようになり現在に至っています。
また日清・日露戦争で兵役に赴く家族の名前を掲げる風習から広まっていったという説もあります。
世界を見てみると、韓国やタイ以外に表札の習慣のある国はありません。
番地番号を見るようにすれば郵便の配達も特に問題なく行なえますし、何より家の前に名前を書いたものを掲げておくというのは防犯上あまり良いとはされないからです。
日本でも、一家の長の名前を中心に家族全員の名前を掲げていた時代は終わり、今は苗字だけというところも一般的になってきています。
ただ、表札がない家は家の運勢が下がり滅んでいくということで一家のお守りとして置かれていたという歴史もあります。一家の象徴的な意味も持つものなので、欧米化していく中でも日本では完全にはなくなることはないでしょう。
風水においても家の気を高め循環させるために必要とされています。
“当初、表札の材質は木が主流でした。一部富裕層の間では陶器製のものなども流行しましたが、庶民には木製の表札が一般的。
その後、昭和の高度成長期になると、家の造りも以前と比較して贅沢になり、表札にもお金をかけるように。御影石や大理石などの石製や陶板など、さまざまな材質の表札が登場し、デザインも凝ったものが登場しはじめました。
洋風建築の家屋など、住宅の様式が多様化するにつれ、表札のデザインもバラエティに富んで、ローマ字表記のものが登場するほか、紋様を取り入れたものなど、個性あふれるものも珍しくはなくなってきました。
また、古くから血族関係のある家がまとまって暮らしてきたような地域では、同じ苗字の家が立ち並ぶこともあり、このような土地では家族の名前を列記したものも多く、苗字だけでは訪ねたい人の家がわからないからだ。近年では、家族の名前を並べた表札にペットの名前も書き加えられるなど、人々の意識の変化が表札にも表れている。
材質も、強度が担保されるようになったガラス製やタイル製、アルミやステンレスなどの金属製など、続々と新しい材質が採用されています。