印鑑の朱肉の種類(高田馬場3丁目店)

古代より印鑑そのものは洋の東西を問わず用いられていたが、朱肉が歴史に登場するのは意外と遅く、中国は宋代のころと言われています。
それ以前は泥を用いていたらしく、朱肉の別名が印泥であるのはそのためらしい。
江戸時代には武士階級にのみ朱肉が許され、庶民の印影は黒でした。因みに朱色を使う様になったのは縁起が良い色とされ、魔除けの色でもある事から使われました。
神社などの鳥居に朱色を使うのも同様の言い伝えから。

 

印鑑の朱肉には、それぞれで特徴の異なる3種類があります。

 

●中国で古くから伝わる朱肉―印泥

印泥は朱砂と乾燥させたヨモギを混ぜたものに、色づけに顔料、粘度を調整するために油を加えています。

印泥の特徴は、印影が鮮明になり深みが出ることです。

さらに変色やにじみが少ないので、印鑑を綺麗に押すことができます。

ただし、印泥は乾きが悪いのも特徴なので、印鑑を使った後は注意しなければいけません。

また、管理も非常に難しく、長期間使わないと油が分離してしまいます。

特に暑い時期はべとついてしまうので、使いこなすのが難しい種類と言えるでしょう。

 

 

●印泥とは違い日本で作られている―練り朱肉

 

印泥と同じと考えられることが多い種類ですが、作り方や素材は違います。

銀朱を昇華させたものに顔料や植物、和紙の繊維を加えて、ひまし油や松脂を使って固めています。

練り朱肉も印泥と同じく、油が分離しないように注意しなければいけません。

 

 

 

●文具店など販売され銀行などにも設置されている―スポンジ朱肉

スポンジにインクを染み込ませており、価格が安いので気軽に使えるのが特徴です。

ただし、インクの特徴には注意しなければいけません。

スポンジ朱肉のインクは速乾性に優れている反面、水に弱く変色や色褪せがしやすい特徴もあります。

そのため、長期保存するには向いていません。

長期間保存するような重要な書類に印鑑を使う場合は、印泥や練り朱肉を使うようにしましょう。

 

また、印鑑ではなくゴム印を使う場合は、スタンプ台を使うようにしてください。

ゴム印を印泥や練り朱肉に使うと、成分にダメージを与えたり、ゴムが腐食する可能性があります。

逆に印鑑を使う場合は、絶対にスタンプ台を使ってはいけません。

スタンプ台を使ってしまうと、印材を変質させてしまい、印鑑が使えなくなる可能性があります。

印鑑を使うときには、使用目的などそれぞれに適したものを選ぶようにしてください。